院内のBGM、どうされていますか?
全くの無音というのも患者さんが息苦しいでしょうから、何かしらの音楽を流そうと考えている(もしくは既に音楽を流している)治療院も多いと思います。
しかし昨今なにかと話題になるのが著作権問題です。
『日本音楽著作権協会(JASRAC)が15都道府県の171業者、258施設に対して、「飲食店や美容室などが著作権使用料を支払わずにBGMとして音楽を流す行為は認められない」として使用料の支払いなどを求める調停を簡易裁判所に申し立てた。』
とか
『職員を音楽教室に送り込んで2年間も潜入捜査させて裁判の材料にした』
とか
…そういうニュースもありましたし、鍼灸院と音楽著作権がどうなっているのか少し調べてみました。
◆JASRACのルール
日本音楽著作権協会(JASRAC)のルールに従うと、500平方メートルまでの店舗では年額6000円の使用料を同協会に支払う必要があるとのことです。
しかしながら「月々500円=年間6000円」という固定費が増えるのも何だかなぁ…というところです。
そこで、JASRACの規約を細かく読んでみました。
要約すると、こんな風に書いてあります。
『福祉・医療施設や教育機関での利用、事務所・工場等での主として従業員のみを対象とした利用、または露店等の短時間で軽微な利用については、当分の間、使用料を免除しています。』
・お店などによる手続きが不要となる場合(画面下部)
ここには「医療施設」としか書いてありませんでしたが、厚生労働省が細分した医療提供施設には「あん摩・はり・きゅうの施術業、接骨院」という記載があります。
つまり医療機関である鍼灸院や接骨院はBGM著作権の使用料が免除されているわけです。
今のところは院内で音楽を流してもオッケー(著作権使用料を支払う必要なし)です。
医療施設内であれば院長やスタッフが所有するCDを「院内BGM」として使っても少なくとも今のところはオッケーということですね。
これでUSEN(有線放送)さんの営業もスパッと断れます(笑)。
※ただし、国が定めた医療資格ではないもの(整体院、カイロプラクティック院、タイ古式マッサージ院、もみほぐし店、ストレッチ店、リラクゼーション店など)は医療施設ではないのでBGMの著作権使用料を支払う必要があります。
◆注意!
いつ、どんなタイミングでJASRACのルールが変わるか分からないので、動向はしっかりチェックしておいたほうがよさそうです。
あくまでも「今のところは免除」されている状態なので、明日、急にルール変更があってもおかしくないですからね。
映画音楽に対する著作権使用料を上げるとかいう話もありましたよね…。
治療そのものは当然ですが、院内の音楽・温度・湿度・ニオイ…などなど、全ての要素に気を配り、患者さんにも施術者にも居心地がいい環境を整えておきたいものです。
以上、意外と知らない院内BGM著作権の基本的知識について、でした。