何事もバランスが大事ですよね。
もちろん「お金」や「収入」もそうです。
独立開業するからには「ガンガン稼ぎたい!」という方もいるでしょうし、
生活に困らない程度に「マイペースに働きたい」という方もいると思います。
絶対的な正解はないかと思いますが、治療院ビジネスの年収を考えてみましょう。
ある調査によると年収と幸福度は「あるところ」までは比例しますが、それ以上は年収が増えても幸福度には大きく変化がないそうです。
その「あるところ」というのが年収600万円らしいのですが、さてどうでしょう。
これは欧米での調査でしたので600万円という数字が日本の現状とピッタリ合致するとは限りませんが、なかなか興味深い数字だと思います。
年収1000万円・600万円・200万円を比較しながら、ちょっと考えてみようと思います。
◆年収1000万円はどうか?
仮に治療院経営で1000万円以上の年収を稼ぐとなると、やはりガンガン働かなくてはいけません。
きっと1回あたりの施術費用も高額でしょう。
収入に見合う多くの責任を背負わなくてはいけません。
ときには睡眠や余暇を仕事に割いてまで働かないと年収1000万円は得られません。
一人院長のままにしろ、従業員を雇用するにしろ、多大なるストレスがかかることは間違いないと思います。
また日本は累進課税ですから稼げば稼ぐほど税率が上がり、何のために働いているのか疑問に思うこともあるでしょう。
何の節税対策もしなければ(←そんなことはないと思いますけどね)、個人事業主として年収の半分近くを納税する…ということもありえます。
それって「半年タダ働き」ってことですからね!
さらに、高収入を失う恐怖や、上げてしまった生活水準を維持しなくてはいけないというプレッシャーとも向き合わなくてはいけません。
「年収1000万円」って聞こえは良いですけど、結構…いや、かなり大変です。
◆年収200万円はどうか?
それでは治療院経営で年収200万円ではどうでしょうか?
責任や税金こそ少なく気楽かも知れませんが、生活がカツカツで贅沢なんてとんでもないという厳しい毎日になるでしょうね。
先の見えないご時勢ですし、お金には余裕を持たせたいところですが、年収200万円では余裕のある生活は難しいと思います。
食べることは当然ですが、住むことにも、スマホを使うにも、何をするにもお金がかかりますからね。
豪遊生活には程遠い「質素倹約な生活」であってもお金は絶対に必要なマストアイテムですから、余裕がなさすぎる・ギリギリ・カツカツというのも…避けたいところですね。
もう少し余裕というか…ゆとりが欲しいところです。
◆年収600万円というバランス感覚
そこで収入と税率、仕事と家庭、やりがいと責任、様々なバランスが上手く取れているのが「年収600万円」なんだそうです。
繰り返しますが、あくまでも調査の結果ですよ。
600万円が多いか少ないかは個人の感覚によるところが大きいとは思います。
経済情勢から考えると年収500~600万円という感じでしょうか。
相対的にみれば、年収600万円+節税となると、かなり余裕を持って生活できるのでは?
これはビールに似ているかも知れない…と読んだことがあります。
アルコールを楽しめる方であれば想像しやすいかと思いますが、1杯目のビールをゴクゴクゴク…と喉を鳴らして飲むと最高に美味しいですよね。
その日の疲れもストレスも吹き飛ぶような感覚にすらなります。
しかし、それは1杯目に限ったことで、2杯目、3杯目…と飲み進めたとしても最初の爽快感には程遠く、もはや蛇足であるようにすら思う方もいるでしょう。
私自身もあまり多く飲めないので、ビールは1杯だけでいいかなという感じです。
つまり、この1杯目の最高なビールを正しく楽しめる状態こそが年収500~600万円であり、2杯目や3杯目となると感動も薄まってしまい「あってもいいけど、なくてもいい」ということではないでしょうか?
◆まとめ
もはやお金や収入は多ければ多いほど良い…という時代ではありません。
「ライフ・ワーク・バランス」なんていったりもしますが、仕事と人生に関係する様々な要素のバランスが上手く調和した日々を選択するのが人間らしいのではないでしょうか。
「よく働き、身の丈にあった額を稼ぎ、よく遊ぶ」という感じですかね。
これから開業する方、既に開業されている方、まずは年収500~600万円を目指してみるのはいかがでしょうか?
…とはいえ「年収500万円」は賞与のない個人事業主にとっては「月収約42万円」ですからね。
楽勝で到達ってことも、普通はないように思います。
開業してスグに稼げる額ではないとは思いますのが、その反面で開業後じっくりじっくり時間をかけて実績や信頼を積み重ねていけば実現可能な数字だとも思います。
年収500~600万円、簡単ではなくても不可能ではない感じですね!
世帯年収と考えるなら、もっと可能性は高まりますよ。
500万円を工夫して使うもよし、もっと稼いで年収800万円や1000万円を目指すもよし、です。
お金って大切ですので、しっかり考えていきたいですね。
◆
最後にネットで見たフレーズをひとつ。
賢人であれば収入が少なくても金が余り、
愚者であれば収入が多くても金が足らなくなる。
賢人でありたいものです。