鍼灸院の開業資金を「日本政策金融公庫」から上手く借りる方法



今回は開業資金を上手く借り入れる話です。


開業するとき絶対に必要なのが開業資金、つまり「お金」です。


「お金」がないことには開業できません。


「開業資金、どうしようかな?大丈夫かな?」と不安に思われる方も多いと思いますが、大丈夫です!


まずは結論から。


独立開業して鍼灸院を構えるなら「日本政策金融公庫」という国の機関からお金を借りるのがベストですよ。


◆借金は悪?そんなことは絶対にありません。


そもそも「お金を借りる」という行為に違和感や嫌悪感がある人も多いかも知れませんね。


ひょっとすると「借金=悪」というぐらいの感覚って方もいるでしょう。


でも、それは間違っています。


借金と事業資金は意味が全く違います。


誤解を恐れずにいえば、返せるお金なら借りてもいいんです。


お金は「手段」であって「目的」ではありませんからね!


お金という点だけで考えれば、お金(利益)を生むために一時的に貸してもらうお金(事業資金)ですから、借り入れを恥じる必要なんて一切ありません。


手元に「お金」がないならレンタルしましょう。


レンタル料を上乗せして返せば、それでオッケーなんです。


ですから、堂々とお金を借りて独立開業に活用させましょう!


そこでお世話になるのが日本政策金融公庫です。


にほん・せいさく・きんゆう・こうこ?


あまり耳にしない名前かも知れませんが、ものすごーくありがたい存在なのです。


◆我々の味方「日本政策金融公庫」について


ちょっと長い名前なので以下では「公庫」を呼ばせてもらいますね。


公庫は国が100%出資している金融機関です。


昔は国金(こっきん)とも呼ばれていました。


主に中小企業・農業水産業、そして個人事業の支援をしてくれています。


今は低金利が続いているので金利については銀行や信用金庫と大した違いはありませんが、返済期間が長め(月々の返済額が少ない)なので有利です。


繰り返しますが、個人事業なら政策金融公庫以外の選択肢はありませんよ。


我々のような個人事業主の独立開業をサポートしてくれる公庫ですが、いきなり「お金を貸してくださーい!」と訪ねていってはいけません。


色々と大変になることがあります。


※私は考えなしに「お金を貸してくださーい!」形式で窓口に突撃してしまったものですから…「悪い見本」の経験者です。


後になって、もう少しスムーズにスマートにやる方法を知ったので紹介しておきたいと思います。


これから公庫を利用するなら絶対にコッチの方法がいいですよ。


◆まずは「商工会議所」で「営業さん」に会うべし


まず私のように窓口に何の準備もなく突撃してはいけません。


初めに目指すべきは政策金融公庫の「営業さん」のところです。


「営業さん」がどこにいるかといえば、たいていは町の商工会議所にいるはずです。


商工会議所に常駐しているところもあれば、週に1回か2回の決まった曜日の決まった時間に「金融相談会」などという形で営業の方が来られることもあります。


詳しくは町の商工会議所に問い合わせてみましょう。


公庫の営業職の方ですが、融資の提案や段取りしてくれる方です。


新規の出店についてもサポートしてくれます。


その営業さんに相談するのが最も有利でスムーズに公庫で資金調達する方法です。


営業の方はより多くの希望者に融資する(お金を借りてもらう)ことが仕事ですので、フットワークの軽い若い方が多いようです。


一方で事務所にいる融資担当者はベテランで非常に厳しい目を持っていることがよくあるわけです。


書類の書き方など分からないことは親切に教えてくれますし、親身になって話を聞いてもらいやすいのはやはり営業さんです。


事務所の融資担当者さんが不親切で話を聞いてもくれないというわけではありませんよ。


仕事内容の違いです。


営業さんは「お金を借りてもらわないといけない仕事」なので自ら出向いたりもしますし、低姿勢で優しい印象です。


事務所の融資担当者さんは「適正な融資案件であるか見極める仕事」なので冷静に客観的な目で注意深く借り入れ希望者を観察しているという印象です。


※あくまでも私見ですけどね。


◆担当者は「あなた」を観察しています


鍼灸治療やマッサージ治療、美容院や理髪店という「無形のサービス」を商品とする場合、それが本当に優れているかどうかなんて専門家にも判断できません。


お金を貸す側としては別の視点で信用に足りるかどうかを見ています。


例えば…服装や頭髪などの身なり、会話の流れや言葉づかい等は当然チェックされているでしょうし、開業にあたっての自己資金の額も聞かれます。


またお金の支払いに遅れがないか、ルーズではないか見るために過去6ヵ月~1年間の水道・光熱費の支払い状況を聞かれることもあります(後日、通帳で確認される)。


借り入れをお願いする立場ですから、そういうところには注意しておきましょう。


緊張されるかも知れませんが清潔な服装で頭髪やヒゲを整えて歯を磨いて、審査や申し込みに使う書類や通帳などをキッチリ揃えておけば大丈夫ですよ。


個人事業主でもお金を借りやすい政策金融公庫ですが「本当にお金を貸しても大丈夫か?信用できる相手か?」という点で厳正なと審査を行っています。


それに合わせて融資額を決めているのです。


◆自己資金のみでの治療院開業はアリか?ナシか?



さて、商工会議所にいる政策金融公庫の営業さんを訪ねて開業資金を調達するのが一番だということですが、こういった借り入れゼロ・自己資金だけで事業をスタートさせるという方法についても考えてみましょう。


「開業に必要な○○万円を貯めるまで地道に頑張る」という人もいるにはいますが、私個人としてはあまりオススメできません。


仮に目標額が貯まったとして、それを全て使って開業するというのは賢いように見えて実は危ないルート選択です。


そういう思考の人は借り入れ=借金を嫌うがあまり極端な選択をしてしまっています。お金の知識が足りていないのです。


要するに「手元にあるお金」が一気に少なくなる(もしくはゼロになる)というのはリスクが高すぎる話です。


もし貯めた全財産を使って開業した次の日に交通事故にあって動けなくなるとどうでしょう?


店舗が火事になったら?患者さん(お客さん)が全くこない土地柄だったら?


そういう予測できない事態が起こったとしても手元にお金がないと全く何もできなくなってしまいます。


自己資金を用意するのはいいことです。


ないよりあった方が絶対にいいです。


しかし一気に全財産つぎこむ…みたいなことはやめておきましょう。


つまり上手く借り入れを行うことが大切ということです。


もし自己資金が結構あるということでしたら、それだけ準備している=信用できると判断され、より多くの資金を借りやすくなります。


自己資金と借入金を合わせて開業に臨めばいいだけです。


「返せるお金」は借りてもいいんですよ!


世の中はそういう風にして回っています。


日本はお金の教育を全くといっていいほどやらないので「全額、自己資金でやる」みたいな発想になる人も出てくるのだと思います。


何事も「○○だけに頼る・依存する」というような一極集中は、それがダメになったときに一気に困ってしまうので、なるべくリスクを分散させるというのが大切だと思います。


「タマゴはひとつのカゴに盛るな」ですね。


◆まとめ


個人事業主、特に鍼灸院を開業するなら、国が運営している日本政策金融公庫を利用しましょう。


まずは商工会議所にいる営業の方に会います。


開業資金が必要であることを真剣に伝えれば、しっかりと対応してくれるはずですよ。


大まかな見積り額が知りたいときはコチラの記事を参考にしてみてください。


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