鍼灸院に向いている立地条件、反対に向いていない立地条件ってなんでしょうか?
新たに鍼灸院を構えるにあたって「立地」について悩まれる方も多いかと思いますが、私は大して考える必要はないと思います。
人間相手の医療サービスですから、受け手である「人間」がいることが絶対条件・最低条件です。
言葉を代えれば『人間さえいるのであれば、立地はどこでも大丈夫』だと思いますよ。
「マーケティング的にどうのこうの…」というのは、それが仕事の人です。
経営コンサルタントをして収入を得ている人や会社ですね。
立地にしろ人通りにしろ年齢層にしろ、過去のデータや統計から考えて「こうすれば上手くいく」という答えを導き出すのかも知れませんが…
ビジネスの半分ぐらいは「やってみないと分からない」ことだそうです。
仮に全く同じ条件で開業しても、
そこで実際に治療する先生は別の人なんですから、
同じ結果になるなんてことはあり得ません。
だからこそ「やってみないと分からない」のです。
鍼灸院に限らず、どんなビジネスであっても理論や統計どおりに成果が得られるというのなら、そんな簡単なことはありませんよね。
実際には過去のデータ通りに全てが進むなんてことはありません。
なぜなら消費者は思考も嗜好もある人間だからです。
自由意志がありながらも時流や経済や色んなことの影響を受けながら生活している人間です。
その全てを理解して狙い通りにビジネスを成功させるなんて不可能でしょう。
そう考えれば鍼灸院の立地なんかは「人間のいる地域」でありさえすれば問題ないといえると思います。
人のいない「秘境の地」では鍼灸院はビジネスとして成立しませんが、田舎でも都会でも人がいるなら大丈夫です。
未知なこと・分からないことに挑むとき誰かの助言が頼もしく思えることもあるかと思いますが、あまり鵜呑みにしすぎず、自分で考えて選んで決断すれば問題ないと思いますよ。
なんたって「やってみないと分からない」ことをやるわけですから、その挑戦や決断に伴う責任を取れるのは当事者のみです。
◆新規開業に「向かない」と思われる地域
先日、【街の中心に城があるところは発展の余地がない】という旨の文章を読みました。
それを鵜呑みにするわけではありませんが「なるほどな」と思うところがありました。
その記事の内容をザックリまとめると、
・城を中心にしている街(町)は保守的で排他的。
・若者が入り込める余地がなく活気がなくなる。
・城の周辺は役所や学校などが集中して商業地は郊外に遠ざけられる。
・城を観光地として認識できない古い体質が現代にも残る地区の未来はない。
…そんな感じでした。
この城というのは有名な神社や寺とも言い換えられるように思います。
城・神社・寺、そういう昔からあるシンボリックな存在を活かす(利用する)のではなく、ただただそれを残すことだけに執着してしまう地域住民の気質はどうしても保守的で新しいモノを受け入れにくくなってしまうように私も思います。
なぜなら私が住む隣の町(自治体でいうと市)が城を中心としており、まとめ記事の指摘通り、町の中心には商業的な活気がなく、新しく何かをやるには向いてなさそうな雰囲気で、寂れていく一方だからです。
◆活きた場所で開業しよう!
この記事の冒頭では「人がいればどこで開業してもオッケー」みたいなことを書きましたが、繁盛する鍼灸院を作り上げるのなら
・活気があるところ
・新しい何かを喜んで受け入れてくれるところ
・人がより多いところ
そういう土地がベターかも知れませんね。
釣りをする人はお分かりかと思いますが、魚がより活性している状況を狙うのと同じような話です。
なにもわざわざ新しい人や店や商売を遠ざける「難しい」地域で開業することはありません。
開業地は自由に選べるんですから。
あくまでも私見ですので一概には言えませんが、個人的な感覚としては、城・神社・寺という旧来の権威の象徴が強く影響力を持っている、ある種の「閉じた地域」は開業候補地から外したほうが無難かも知れません。
城・神社・寺を中心とした町で生まれ育った人であれば「身内」、「関係者」、「味方」という感じで好意的に受け入れてもらえる可能性もあると思いますので、その辺は臨機応変に考えてみてください。
既にそういう地区で開業した方は移転するのも手ですし、10年以上そこで頑張って信頼を固めていくというのも手だと思います。
一応の「念のため」に書いておきますが、私は古い町並みや城・神社・寺の保存を否定するつもりは一切ありません。
文化財保護といった観点ではなく、単に「もし新しく開業するなら…」という観点からの一考ですので悪しからず。
そう考えると、新しくマンションが建つような新興住宅地や外国人観光客が増えている地域なんかは風通しがよく新しく何かをするのにあたっての抵抗も比較的少ないように思われますので、その辺りでの開業はいかがでしょうか。
もしよかったら参考にしてみてください。