私は基本的に「話し上手より聞き上手」だと思っています。
日常生活でも、治療の場面でもコレで上手くいっています。
この記事は特に私見を多く含んでおりますので、あくまでも私個人の考えだということでお願いします。
絶対「こうだ!」というわけではありませんので悪しからず…。
その考えというのはタイトルにもある通り、治療中にペラペラ話す必要はないということです。
必要なときには必要なことを説明するとは思いますが、それ以外の天気・政治・経済・スポーツ・時事・ゴシップなどは治療中に話さなくてもいいと私は考えています。
実際に私の鍼灸院では治療中「終始無言」ということも珍しくありません。
しかし、それがクレームになったり「あそこの先生、無愛想でね…」みたいな悪い評判が広がるということもありません。
少し前に無記名アンケートを実施したのですが、無言施術について患者さんは「会話に気を遣わなくていいので気が楽」とか「治療中はリラックスして寝たい」とか「無言を許してくれるので良い」とか、そういう回答が多く返ってきました。
語弊がないように強調しておきたいのですが、無言が最良であり会話しながらの楽しい治療が邪道という話じゃないですよ(こうやって書いておかないと個人的な意見であってもヤイヤイ言われる)。
治療者が「会話を途切れさせてはいけない」という謎の強迫観念に支配されてはいないか?ということです。
お話し好きの患者さんも当然いらっしゃいます。
そういう方はこちらが黙っていても自ずと話してくださいますので、それを真剣に聞いて相槌をうったり、話を展開させればいいだけで、別に話の主導権を握らなくても全然オッケーだと思います。
業種は違いますが、一流クラブのママやホステスさんともなると経済新聞や専門誌を読み、世相や時流をインプットした上で聞き役に徹し、お客さんに気持ちよく話してもらうそうです。
自分の話ばかりするグイグイ系・ガツガツ系のクラブやラウンジ…確かにちょっと落ち着きませんよね。
息苦しいというか閉塞感が蔓延する現代社会を生きる現代人は精神的にも疲れています。
そんな疲れた患者さんに会話のキャッチボールを強要するのは時代にフィットしていないのかも知れません。
治療・施術をいうメインの業務に集中して、会話の流れは患者さんに一任する。
その流れを活かして「聞き上手」でいることが双方に負担の少ない治療院のコミュニケーションではないかなと私は考えています。