一人院長の治療院ビジネスは「小商い」で上手くいく。



今回は「小商い」の話です。


「一人院長」でやっていく方は覚えておいて損はない考え方ですよ。


これから治療院を構えようと考えている方にオススメのキーワードがあります。


小商い(こあきない)です。


読んで字の如く、小さい商い、スモールビジネスのことですね。


個人の治療院なら「小商い」を意識することで失敗のリスクを避けられるように思います。


◆一人治療院は「小商い」向き


そもそもとして鍼灸院やマッサージ院、整体院は小商いに向いています。


何か商品を仕入れて値段を付けて売るのではなく、先生方の体内や脳内に蓄積された治療の技術や知識を売っているからです。


つまり仕入れ費用が不要ですし、在庫のリスクもなく、基本的に支出が少ないという特徴が小商いに向いているといえます。


支出(出ていくお金)が小さいので、収入(入っているお金)が小さくてもバランスが取れやすいということですね。


例えばザックリと計算してみましょう。


・月に100万円分の商品を仕入れて120万円で売り切った
 →月間20万円の利益


・経費10万円の治療院で30万円の治療費収入があった
 →月間20万円の利益


動かす金額の規模は小さいかも知れませんが、どちらも20万円の利益です。


100万円かけて仕入れた商品が売れ残る在庫のリスクがない分、治療院のほうが身軽という見方もできますね。


この辺が一人治療院ビジネスが小商いに向いていると考える理由です。


ベッド数を増やしてアルバイトを雇って大々的にやるだけが成功の道ではないのです。


むしろ意図的に規模を小さく限定することでリスクを減らすことができますし、小回りが利くからこそ患者さん一人ひとりに合った満足度の高いサービスを提供できるとも考えられます。


小さくても、地道にしっかりとした商売をやっていくということです。


◆時代は「上に」ではなく「横に」。


もはや高度経済成長期ではないので、ただただ闇雲に上へ上へと向かう上昇志向は時代にマッチしていないのかも知れません。


それよりもある程度の高さに達してからは上ではなく横へ横へと枝を伸ばし、葉を繁らせるイメージのほうが現代的だと私は考えています。


人間が生活していくうえで「お金」が絶対に必要で、それを軽んじて考えることは絶対にできないのですが、ひたすらにお金を増やすだけが目的の人生というのが果たして豊かなものなのかどうか…。


少ないお金でも、少ないモノでも、幸福に暮らせます。 


これ重要です!


・お金がたくさんないと幸せになれない

・たくさんのモノに囲まれて生活しないと不幸


高度成長期はそれも真実だったのかも知れませんが、今も同じってことはないと思います。


カネやモノがないとヒトは不幸…そういう思い込みこそ不幸を招きますよ。


人生が息苦しくなってしまいます。


そこで小商いなんです。


このスタイルを意識して実践していれば大きく稼ぐことはできないかも知れませんが、お金を大切にし、丁寧な人生を送れるのではないかと私は思います。


少ない収入であっても工夫して、考えて、その中で身の丈にあった幸せを掴めばいいだけです。


◆強いは弱い・弱いは強い。一人院長は好きにやれる!


「屏風(びょうぶ)と商売は広げ過ぎると倒れてしまう」という諺もあります。


拡大路線は大手グループなんかに任せて、一人院長は自分の道を進みましょう。


せっかく独立開業したんですから、自分のやりたいようにやればいいんです。


それを評価してくれる人、それが良いといってくれる患者さん、絶対にいますから安心してください。


万人受けなんてのは狙わなくても構いません。


地域に根差し、患者さん一人ひとりとしっかり向き合い、患者さんの生活や人生に寄り添うような治療サービスが求められています。


一人院長の「小商い」型の治療院では、そういった細やかなニーズに応えられるはずです。


一見すると「一人っきりでやっている小規模のビジネス」なんて弱っちい感じがしますが、視点を変えれば臨機応変な対応ができる強みを持ち合わせてもいるわけです。


せっかく独立開業するんですから普通の院じゃなくてもいいんですよ!


「個性のある小商い」で好きな人に好かれる鍼灸院、オススメです。